お薬研究所 : 2011年1月号-#2 [2011.1.12up]
お薬研究所では「薬局でのこんな相談」や「病気の話」など、皆さまの健康に役立つ情報を掲載しております。
» アレルギーを抑える食品
├ 1. 概要
├ 2. ポリフェノール
└ 3. アレルギーの改善には・・・
これまでの記事(直近3件)
» 2011.01.04 お薬研究所:2011年01月号-#1 病気の話「骨粗しょう症」
» 2010.12.23 お薬研究所:2010年12月号-#3 こんな相談「上手に点眼する」
» 2010.12.15 お薬研究所:2010年12月号-#2 サプリメント「ウコン」
アレルギーを抑える食品
どんな病気
花粉症のシーズン到来。毎年悩まされる人も多いと思います。スギやヒノキは2~4月にイネ科の場合は初夏に、キク科の場合は真夏~秋口に症状が出るようです。
一般的には、点鼻薬や点眼薬、抗アレルギー剤の内服等でコントロールする場合が多く、それに伴う眠気との戦いもあります。また、鼻粘膜へのレーザー治療や減感作療法(花粉に対する感受性を下げる)などの治療が行われます。
アレルゲンの吸入により発症する事から、極力暴露を避ける生活上の工夫も必要です。
さらに、アレルギーに効果的といわれる機能食品等も多く販売されています。万能ではありませんが、上手く取り入れ不快症状から解放されたいものです。そこで、今月はアレルギーに効果があるといわれている食品についてのお話です。
機能性食品とは・・・体調を整える食品
免疫力を高める生体防御機能、体力回復に役立つ生体調整機能、老化防止機能などが期待できる食品。
いずれもあくまで食品であり、体への働きかけは実験などからも信頼性はありますが個人差も大きく、飲んでいるからといって必ず効くとは限りません。自分にあった食品を無理なく続ける事です。
ポリフェノール
花粉症対策の食品には、ポリフェノールという成分が含まれています。ポリフェノールには、体に悪影響を及ぼす活性酸素を抑える力があるのです。活性酸素は、生きる為に不可欠な酸素が活性化された物質で、通常の生活でも産生されていますが、ストレスなどによって大量の活性酸素ができてしまうと血管、内臓、骨、皮膚などの組織にダメージを与えるのです。鼻水や鼻づまり、目の痒み等の不快症状によるストレスにより多くの活性酸素が発生しさらに悪化するといった悪循環が生じます。
したがって、日常から活性酸素を抑えるいわゆる“抗酸化物質”を摂取するよう心がける事が大切です。
また、ポリフェノールには花粉症を引き起こす炎症性物質であるロイコトリエンヒスタミンが放出されるのを抑える働きもあります。
それでは、ポリフェノールを多く含む食べ物には、どんな物があるでしょう。ポリフェノールを含む食品の特徴として、渋みや苦みの強いもの、色の濃いものがあげられます。
特に、表皮や種子に多く含まれている為、皮ごと、まるごと食べる事が大切です。また、ポリフェノールは、熱に強く壊れにくいので調理法に気を使わず食べる事ができます。
赤ワイン、緑茶、ゴマ、大豆、リンゴ、ブルーベリー、柿、イチゴ、チョコレート、生姜、コーヒー、紅茶等。
いずれにしても、そればかり摂取するのでなく毎日の食生活に上手く取り入れる事、長く続けられる方法を見つける事です。
まるごと食べられるフルーツをデザートとして、ジャムにしても良いでしょう。
バターや卵を多く使った食事をとるフランス人に脳梗塞や心筋梗塞が少ないのは、水のように小さい時から(小さいうちは、水で薄めて)ワインを飲む習慣があるからだという説もあります。
アレルギーの改善には・・・
薬で症状を抑えるだけではなく、免疫力を高める事も必要です。 アレルギーの発症と腸内環境とは密接な関係があります。腸内環境の悪化や腸内免疫力の低下が症状に大きく影響しています。人間の腸には、免疫細胞のおよそ60%があると言われています。いわゆる免疫の要なのです。病原菌などの悪い物を排出し、体を守っています。したがって、腸内の悪玉菌が増えた状態では、傷ついた腸管から本来入れてはいけない有害物質が入りやすくなってしまうのです。そこで、腸内の善玉菌を増やす食品を摂取し、腸内免疫を高める事が望ましいのです。そこで、登場するのがプロバイオティクス効果!これは、腸内の善玉菌を増やして免疫力を高めるという予防医学の考え方です。たとえば、乳酸菌や菌の増殖に効果のあるオリゴ糖の摂取です。どちらも手軽に食べられる食品ですので、毎日の食事にプラスしましょう。“1年間ずっとヨーグルトを食べ続けたら、花粉症が軽くなった!!”という話には根拠があるのです。
毎朝、ヨーグルトにポリフェノールたっぷりのジャムをのせて・・。不快なシーズン少しでも楽に過ごしましょう。
最後に、花粉防止のマスクやメガネの着用も忘れずに。
アレルゲンを体に入れないよう注意しましょう。